大規模修繕工事の進め方
大規模修繕工事は、マンションの資産価値を少しでも維持するため、また、快適な暮らしを継続・向上するために避けては通れないとても重要な工事です。工事に使う修繕積立金は、お住まいの皆様の大切なお金で無駄にはできないものなので、後悔しない大規模修繕工事に向けた計画をじっくりと立てましょう。
大規模修繕工事を成功させるためのポイント
管理組合 (お住まいの皆様) の大規模修繕工事の必要性・目的を共有
管理組合で専門委員(修繕委員)を設立するなどして、大規模修繕工事に向けて体制を整えましょう。
いざ工事が始まると、一部の居住者様から『うちは工事に反対だった。』『うちはやらないでいい』などの声がまれにあります。マンションは集合住宅のためこのような声が上がった場合、一戸の工事が進まないばかりかマンション全体の工事に遅れや遅延に伴う費用増加の影響が出てしまいます。そんなトラブルを避けるためにも、早めに体制を整え長期計画として大規模修繕工事に向けて、管理組合・理事会で話合いを重ねることが、大規模修繕工事の成功へと繋がるポイントかと思われます。
工事を実施する方法(システム)を決める
大規模修繕工事には、大きく分けて3つの進め方があります。それぞれのメリット・デメリットを確認し、どの方法で進めるかを決めます。
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管理組合が直接、施工会社に依頼
管理組合が自ら公募又は、複数の施工会社に声を掛け施工会社を選定します。
コンサルタント料が発生しないため、工事にかかる費用が抑えられますが、専門的な知識や大規模修繕工事に関して、余計な費用を掛けない分、打合せなど管理組合や修繕委員会にかかる負担が大きくなります。 -
管理会社に委託
マンションで契約している管理会社に委託します。普段からマンションの日常業務を行っており、マンションの現状を熟知しています。但し、工事費用の面で、施工会社間の競争が無いため工事費用が割高になる恐れがあります。
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コンサルタント会社(設計事務所)に委託
管理組合が設計事務所と委託契約をし、工事前の建物のどこに不具合が出ているのかを診断・調査して頂きます。その後、工事施工業者の選定、総会のサポート、工事期間中は、工事が円滑に行われているか、工事に問題は無いかを厳しく見て頂けます。工事費用とは別にコンサルタント料が掛かります。
大規模修繕工事を成功させるポイント
- STEP1
建物診断・調査実施
まずは大規模修繕工事を実施する前に建物の状態を正しく把握しましょう。
そのために建物診断を実施します。調査結果を元に大規模修繕工事を計画通り実施するか、建物の状態が良ければ先延ばしするか、実施する場合も必要である工事の範囲などが判ります。同時に工事費用の予測も可能となります。
- STEP2
工事内容と範囲の検討
調査結果で判明した劣化状態と工事費用と予算(積立金)を比較して必要な工事を協議しましょう。足場が必要な工事はまとめて実施するようにしましょう。
- STEP3
施工会社の選定(ヒアリングの実施)
施工会社は2~3社の中から選定しましょう。工事の費用だけではなく、施工実績や現場代理人の人柄、緊急時の連絡体制なども比較します。
会社規模の大小のみではなく、誠心誠意自分たちの住んでいる建物(資産)を託すことが出来る会社を選ぶことが大切となります。
- STEP4
管理組合総会での工事実施の決定
工事会社の正式決定及び最終的な実施時期の決定は総会にて決定いたします。
事前に修繕委員会にて広報することによりスムーズな決議が可能となります。
工事の内容や検討内容や工事会社の選定理由などは特に、他の人に納得してもらいやすい内容は必要です。
- STEP5
工事説明会の実施
実際の工事では、足場がかかったり、洗濯物が干せない時期があったりなど、毎日の生活に支障が生じることがあります。そのため、工事実施前には工事説明会を実施し、居住者の皆様にどのような影響が出るかを工事会社に丁寧に判り易く説明してもらうことが大切です。
これを怠ると、クレームが起こり、工事が中断するなど大きな支障が生じ、住民間のトラブルに発展します。居住者の皆様及び工事会社、管理組合全員が協力して工事が円滑に進むようにすることが建物の資産価値を向上させる大切な要因です。
- STEP6
着工
工事の着工前には工事会社を通じて、近隣の皆様にも挨拶や工事概要などをお知らせいたします。近所や地域の皆様にも配慮して工事を進めることが、無用なトラブルを回避しより良い工事の秘訣です。
また、工事説明会では判りにくかった箇所などは、実際に現地で自分の目で見て不具合箇所を確かめながら施工方法などについて説明をしてもらうことも大切です。
施工会社との意思疎通も出来て、その後の工事進行がスムーズとなります。
- STEP7
施工品質のチェック
工事の途中では必ず施工の品質や仕上がり状態などのチェックが不可欠です。 技術的なチェックは工事監理者などに依頼しましょう。
また、外壁の色などは実施前に色見本などで確認をしておき、実際の状態が間違い無いかを必ず目で確認しておくことがおすすめです。(但し、焼き付けなどの都合で多少色合いに違いが生じることはご理解の上で・・)工事期間中は、占有部の内装リフォームなどの特別相談会を開催することもあります。
キッチン、浴室、トイレのリフォームやクロスやフローリング貼り替え、間取り変更、最近では断熱対策の内窓設置や結露対策などの相談も増えています。
- STEP8
竣工調査
工事の完成度合いをチェックしてください。特に外壁などの高い箇所は足場が解体されてからはチェックや是正工事ができません。
工事監理者や工事会社と打合せの上、普段見えない箇所のチェックをしましょう。建物の寿命を延ばす最善策です。
- STEP9
竣工(完成)
工事が完了しましたら竣工図書を将来のためにきちんと保管しましょう。
またアフターサービスの内容を確認し、不具合が発生した場合の対応について再確認しておきましょう。
長い期間、お疲れ様でした。
- STEP10
アフターメンテナンス
リニューアルウィングスは工事完了後も信頼と絆の精神でバックアップいたします。
年数が経過することで発生する不具合などにもスピーディに対応いたします。
※工事によってアフターサービス対象外もございます。
- STEP11
保証期間内のアフターメンテナンス業務が完了